0
¥0

現在カート内に商品はございません。

藤井清水 歌曲集

¥3,206 税込
数量
カートに追加しました。
カートへ進む
収録曲 全34曲

 

 

—自らによる日本民謡・童謡の作・編曲のみならず、これらの研究〜保護に尽力し「日本民謡大観」収録曲目の採譜にも多く携わった作者。その楽曲群の知名度に比べると、今日藤井清水の名自体を耳にする機会は少ない。本アルバムは、その名前以上に足跡を残した貴重な楽曲郡から《民謡風歌曲》《童謡曲》《民謡編曲》《歌曲》という4つの視点でセレクト。半世紀にして蘇った幻の名歌たち。本CD収録曲目でのリサイタルでは『'91年度文化庁芸術祭賞』を受賞。

 

《'95年レコード芸術誌特選盤》

 

 

■収録曲

 

『民謡風歌曲』

 1. 大嶋(北原白秋)

 2. 海女(北原白秋)

 3. せめて急ぎゃれ(北原白秋)

 4. 雁が啼きます(北原白秋)

 5. 祭り物日に(北原白秋)

 6. うた畠(北原白秋)

 7. 阿蘭陀船(北原白秋)

 8. 旅の鳥(野口雨情)

 9. つぶりこ(野口雨情)

10. 河原柳(野口雨情)

11. 港の時雨(野口雨情)

12. 烏と南瓜(野口雨情)

13. 日輪さま(塚本篤夫)

14. 忍路(時雨音羽)

 

『童謡曲』

15. 月夜の小鳥(永井花水)

16. かくれんぼ(野口雨情)

17. 子鳩の歌(野口雨情)

18. お月見(北原白秋)

19. ちょんちょん雀(北原白秋)

20. お留守(北原白秋)

21. 雲雀の子(権藤はなよ)

 

『民謡編曲』

22. 山が高こうて(広島県・籾摺唄)

23. 曇りゃ曇りゃんせよ(栃木県・草刈唄)

24. 連枷叩きすりゃ(岡山県・麦搗唄)

25. やんせやんせと(岡山県・舟唄)

26. 郡上の八幡(岐阜県・盆踊唄)

27. ちゅうちゅうけ(熊本県・地搗唄)

28. さんさ押窓は(宮崎県・田の草採唄)

 

『歌曲』

29. 雨の泣く日は(服部嘉香)

30. 皿屋敷(野口雨情)

31. 泣かまほしさに(北原白秋)

32. 信田の薮(野口雨情)

33. 流れ星(永田龍雄)

34. 雲雀(小野竹三)

 

 

《各誌レビューより》

 

「レコード芸術」('95年11月号) 畑中良輔氏

 

目下「山田耕筰100曲歌曲連続演奏会」を続行中の関定子は、93、94年とこの「100曲集」CD発売により、94年度の「レコード・アカデミー賞(日本人演奏部門)」を獲得、続いて同年「藤井清水を歌う」のタイトルによるリサイタルを開き、彼女独自の世界を確立した。余人の追随を許さぬ企画、演奏である。今年の3月は東フィルを背景に「オール・ヴェルディ・プロ」でヴェルディのヒロインたちそれぞれの役どころを豊麗な声と的確な表現に乗せて、聴衆を熱狂させている。ドラマティックからコロラトゥーラのあるゆるレパートリーに挑戦し、そのどれもが驚嘆すべき出来栄えとは、信じられぬ思いだが、これらは確かに私の耳で確認したことなのである。山田耕筰がはじめての留学から帰国した時、藤井清水の作品を譜面で見て、「日本だけで勉強していたというのに、既にオレを超えている作曲家がいた」とおどろいた話は有名だ。日本の旋法と藤井独自のハーモニー体系が、混然と融合し、それまでの歌曲にない世界を作り出していたのである。藤井再評価はこの数年すごい力で全国に拡がっている。この1枚、“民謡風歌曲” “童謡曲” “民謡編曲” “歌曲”の四つのタイトルにわけ、塚田佳男(彼なくしてこの一連の企画は成就しなかったであろう)のリードによって関は藤井の旋律法に絶妙なニュアンスをくりひろげている。

 

「レコード芸術」('95年11月号) 佐々木行綱氏

 

藤井清水(ふじいきよみ、1889〜1944)の名を記憶している方は、おそらくは今では数少ないことと思うが、添付された解説の中の『藤井清水の作品について』(金田一春彦)によると、山田耕筰は「自分がわざわざドイツへ出掛けて5年間かけて勉強したことを、日本で一人で勉強した人がいる」と言い、また「私が知っている一番優れた作曲家は藤井清水だ」と語ったという。そのような藤井の作品を関定子が「藤井清水歌曲集」全114曲の中から34曲を選び出し、「民謡風歌曲」「童謡曲」「民謡編曲」「歌曲」と四つに分けて録音している。藤井は民謡研究家町田佳声(当時は嘉章)とともに、日本各地を行脚して、多くの民謡を採譜し、「日本の言葉と心をどのように西洋楽器と融合させるか」をライフワークとした人だけに、立場は違うが関の研究テーマとも近似しており、関の歌唱では、特に「民謡風歌曲」(14曲)が光っている。声も民謡の持ち味をくずすことなく、西洋楽器(ピアノ)とよく融合しているし、日本の言葉と心も生きている。ついで「民謡編曲」(7曲)が秀演。ただ欲を言うなら「民謡編曲」では、自然から芽生えたこれらの民謡が持つ、おおらかさとのどかさをより豊かに伝えてほしかったと思う。「童謡曲」「歌曲」での関は、民謡の時と異なった発声と発音で作品に合わせ巧みに歌っている。ピアノの塚田佳男も、各曲の性格を的確にとらえているし、歌唱旋律との対比にも周到な配慮がこめられている。

 

カテゴリ一覧

ページトップへ