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ミャンマー西門の難題 “ロヒンギャ”がミャンマーに突きつけるもの

¥2,090 税込
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著者 キンニュン [:comma:] 千葉大学研究グループ〔著〕 体裁 オンデマンド (ペーパーバック): 192ページ発行 2018年6月

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東南アジアの一国ミャンマー、そしてその西の隣国バングラデシュは、英国の植民地統治下にあった歴史をもち、英国の方針のもとに動いていた時代を経験した。
その間の出来事に端を発し、独立後、現代に近づくにつれ大きな難題になってきたのが”ロヒンギャ”問題である。

国際世論はロヒンギャの側に立ってミャンマー政府への批判を繰り返すが、他方でミャンマーから見るとまったく異なることが見えてくる。そのもう一つの視点に立って元首相・国軍大将が描いたのが本編であり、さらに学術的に千葉大学の研究グループが国家建設、人道支援、宗教の視点から解説を試みたのが、本書である。

本書の翻訳出版にあたっての背景には、グローバル社会において現在、主権国家が協定により「政治経済的地域統合」を行うケースが多くなってきていることがある。
東南アジア諸国連合(ASEAN)はその名の通り、東南アジアにおいて主権国家が連合した政治経済的な地域統合である。もともと共産主義に対抗する枠組みとして設立され、1967年におけるASEANの原加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国であったが、1984年にブルネイ、1995年にベトナム、そして1997年にミャンマーおよびラオスが加わり、1999年にはカンボジアが加盟した。
このことで、共産主義への対抗という意味合いは薄れ、ミャンマーを含めたASEAN加盟の10カ国で貿易面など経済的な地域統合を深める動きが活発化している。このような国家建設と地域統合の大きな流れの中で、“ロヒンギャ”の問題は放置されてきた「難題」である。

ASEANの後発加盟国であるミャンマーでは貧困と民族間の対立は深刻で、国籍、土地所有権の確定および資源管理の困難さの中で、ミャンマーにおける国家統一はいまだに揺れており、ミャンマーにとって“ロヒンギャ”問題を真っ向から取り上げる余裕がなかったともいえる。
またASEANが掲げる「内政不干渉」の原則により、いわゆる“ロヒンギャ”は、ミャンマーにおける「国内問題」であって、ASEANの隣国は基本的に干渉すべきではない、というASEANメンバーの基本的なスタンスが問題への対応をさらに複雑にしている。
このような背景のもとで、ミャンマーのかつての為政者が“ロヒンギャ”を論じた本書は、この難題を深く知るための必読文献である。

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