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歌をください 〜中田喜直歌曲集 1〜〈2004 3.2 王子ホール ライブ録音〉

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収録曲 全29曲

 

 

—日本作曲の父とも呼ぶべき中田喜直の作曲群をカバー。関定子の情感溢れるソプラノと塚田佳男の緻密な伴奏が、おだやかに郷愁を誘います。

 

《'04レコード芸術誌準特選盤

 

 

■収録曲

 

『六つの子供の歌』

 1. うばぐるま(西条八十)

 2. 烏(小川未明)

 3. 風の子供(竹久夢二)

 4. たあんき ぽーんき(山村暮鳥)

 5. ねむの木(野口雨情)

 6. おやすみ(三木露風)

 

〜三好達治の詩による歌を集めて〜

 7. 桐の花

 8. すずしきうなじ

 9. またある時は

10. たんぽぽ

11. の上

 

『“マチネ・ポエティク”による四つの歌曲』

12. 火の島(福永武彦)

13. さくら横町(加藤周一)

14. 髪(原篠あき子)

15. 真昼の乙女たち(中村真一郎)

 

『こどものための八つのうた』

16. くるみのお家(志甫昌治)

17. ねえ蜂さん(志甫昌治)

18. 雨ふり(清水たみ子)

19. うれしい象さん(安藤徇之介)

20. 匂いのある歌(サトウハチロー)

21. むこうのきしへ(宮内徳一)

22. かあさん はやくこい(高橋俊雄)

23. おやすみなさい(中井昌子)

 

24. 鳩笛の唄(清水みのる)

25. 霧と話した(鎌田忠良)

26. 雪うさぎ(堀内幸枝)

27. ゆく春(小野芳照)

28. 悲しくなったときは(寺山修司)

29. 歌をください(渡辺達生)

 

 

《各誌レビューより》

 

「レコード芸術」('05年1月号) 畑中良輔氏

2004年3月2日、王子ホールで行われた関定子の「中田喜直を歌う」のライヴである。

「山田耕筰100曲集」に始まり、「藤井清水」、「平井康三郎」、「橋本國彦」、「團伊玖磨」の歌曲集、そして2002年には團伊玖磨の絶作となった大作《マレーの乙女の歌へる》の収録という“日本歌曲山脈”が、ピアノの塚田佳男とともに、周到な準備を経て、その姿を明らかに示し得るまでになって来たが、今回は中田喜直の世界に踏み込んで来た。

中田歌曲は言うまでもなく、戦後の日本歌曲の大きな出発点であり、また團伊玖磨とともに、戦前の山田、橋本歌曲に対して、その精神を継承し、更に発展させて来た最大の歌曲作家である。童謡から芸術歌曲に至るあらゆる声楽曲のジャンルの中にあって、今なお歌われ、聴かれ続けている。

関はこのリサイタルで、中田歌曲の出世作ともいうべき《6つの子供の歌》から始め、初期の名作、三好達治詩集の中の5曲、中田の作曲書法の上に新しい展開を見せた《“マネ・ポエティク”による4つの歌曲》と時代を追って中田の軌跡を辿り、《こどものための8つのうた》に到達する。そして最後に名歌選として《鳩笛の唄》や《霧と話した》など、最近になって注目を浴びて来た単独曲、そして最後に、彼の後期ともいえる1991年の《歌をください》でしめくくられている。

私はこのリサイタルに出かけたが、こうしてCD録音を聴いて、会場で聴いた時とまた異なり、その折聴き落としている関の歌に対する表現のこまやかさに気付かされた。1フレーズ1フレーズが、何と愛情を持ち、細心の配慮のもとに歌われていることか。ひとつの言葉の持つイメージの飛翔が快く中田の音の中で舞っている。

《6つの子供の歌》は、私は関定子の資質には遠いものではないかと予想していたが、彼女はそれが私の思い違いであることをここで明確に示してくれた。彼女の日本歌曲に対する信念の勁(つよ)さと、愛情がどの歌にもいっぱいであり、一言一句おろそかにしていない“歌”への畏敬のこころすら感じられる。各曲の持つ独自のスタイルの変化も、塚田の名サポートと 相俟って、中田歌曲唱法のスタンダードな唱法を完成させたのは見事だ。

『1』とあるからにはやがて『2』も用意されていると見てよかろう。その日が待たれる。《歌をください》は、中田の最晩年の歌ともいえるもので、私はこの歌を聴くのは辛い思いがするが、彼がこの世に残した思いの深さを歌った名曲である。

 

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