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ソプラノによる山田耕筰歌曲集(第2集) 〜あゝ甘し、あゝ楽し、あゝうれし〜

¥5,343 税込
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収録曲 全58曲(2枚組)

 

—山田耕筰歌曲のスタンダードナンバーを収録した第1集に続き、CD音源化されていない隠れた名曲などをピックアップした、ファン垂涎の貴重な歌曲集。第1・2集合わせた収録曲全100曲で'94年日本レコードアカデミー賞受賞! あの日の歌が、関定子の豊かなソプラノ、塚田佳男のピアノ伴奏と共に今鮮やかに蘇る。思い出のメロディをいつもあなたの傍に。

 

《'94年日本レコードアカデミー賞受賞》

《'93年レコード芸術誌特選盤》 

 

 

■収録曲【ディスク1】

 

『澄月集』(寺崎悦子)

 1. 山また山

 2. 月をのする

 3. 行きまよい

 4. たゞ澄める

 5. なかなかに

 

『日本民謡集』より

 6. 箱根八里は

 7. さくらさくら

 8. 梅は咲いたか

 9. 深川

10. かぞへうた

11. 今様

12. 来るか来るか

13. 中国地方の子守謡

14. 姫松小松

15. きんにゃもにゃ

16. 沖の鴎に

17. 忍路高島

18. 夜曲(三木露風)

19. 待宵草(三木露風)

20. 病める薔薇(三木露風)

21. 木の洞(三木露風)

 

22. ポストマニ(北原白秋)

綺麗な綺麗なちび鼠

王さまお馬で通られる

今は御殿で女王さま

とても不思議なみどりの芽

 

■収録曲【ディスク2】

 

『幽韻』(「小倉百人一首」より)

 1. 花のいろは(小野小町)

 2. 忘らるゝ(右近)

 3. あらざらむ(和泉式部)

 4. 玉の緒よ(式子内親王)

 5. わが袖は(二条院讃岐)

 6. 六 騎(北原白秋)

 7. 蟹味噌(北原白秋)

 8. 馬売り(北原白秋)

 

『童謡百曲集』より

 9. 狐の提灯(野口雨情)

10. 烏の番雀の番(野口雨情)

11. 海坊主小坊主(野口雨情)

12. カッコ鳥(野口雨情)

13. 狸橋(三木露風)

14. 黒い坊さん(三木露風)

15. ちんころ子犬(三木露風)

16. 秋まつり(三木露風)

17. 一本松(三木露風)

18. 蝶々(三木露風)

19. 蝉(三木露風)

20. きりぎりす(三木露風)

21. 夕焼雲(三木露風)

22. お友だちといっしょ(三木露風)

23. からたちの花(北原白秋)

24. かえろかえろと(北原白秋)

25. 昨夜のお客さま(北原白秋)

26. 酸模の咲くころ(北原白秋)

27. ふえ(高原 正)

28. 風鈴(川虹柳路)

29. 葱坊主(西条八十)

30. 木の芽頃(松村蒼梧)

31. とほくゆく雁(川虹柳路)

32. 秋風の歌(西条八十)

33. 忘れては(柳原白蓮)

34. 母のこえ(大木惇夫)

35. 薔薇の花に心をこめて(大木惇夫)

36. みぞれに寄する愛の歌(大木惇夫)

 

 

《各誌レビューより》

 

「レコード芸術」('94年12月号) 俵孝太郎氏

 

山田耕筰の作品は、不思議なことにあまりCDにはなっていない。LP時代に出ていた東芝の25センチ3枚箱入りのセットとビクターの日本歌曲全集に入っていた2枚が復活していないのが大きいのだが、限られた有名歌曲が繰り返し出しているのと《勝鬨と平和》を含むオーケストラ曲が4曲、そしてオペラ《黒船》が目ぼしいところで、本命の歌曲でさえ、どうも心細かった。それでも最近になって、ファウエムから2枚続けて出たり、トロイカから関定子の2枚組が出たり、カメラータから藍川由実が出たり、マイナー・レーベルが健闘して渇きがいやされつつあったところに、関の第2集2枚組の登場である。1年前に出た第1集と合わせてこれで都合100曲、《童謡百曲集》のおもだった曲から《芥子粒夫人》のような大連作まで、初期作から晩年の小品まで、ほぼ“山田歌曲”の全貌が聴けるようになったのはまことにめでたい。フィリップスの「郷愁〜ソプラノによる日本民謡」で録音初登場していきなり強烈な印象を与えた関の歌も塚田佳男のピアノも、一貫して立派である。今回賞の対象になった第2集には、関といえばデビュー作からすぐ連想される古謡・民謡の編作や、《澄月集》や《幽韻》のような和歌に付曲した録音に乏しい作品、さらによく知られた初稿から2年後に書かれた〈からたちの花〉の第2稿が入っていて、耳慣れた曲が多かった第1集以上に興が尽きなかった。「ソプラノによる」と毎回タイトルに掲げているように、まさにソプラノによる表現をこらした歌いぶりだから、すこし音を小さめにしてヘッドホンをかけ、ウイスキーをたらした熱い紅茶でもすすりながら、冬の夜長をひとり陶然と半世紀ほど昔に帰った気分に浸るのが、オールド・ファンにとっては無上の楽しみになるだろう。第1集と合わせて4枚1万円。これほど気の利いた古い友人への贈り物もないかもしれぬ。

 

 

「レコード芸術」('94年11月号) 畑中良輔氏

 

関定子の歌を聴いた人は、彼女の一種独特の歌いまわし、声の使い方、絶妙のエロキューションの不可思議な魅力にとらえられてしまうだろう。これまで聴いたことのないような、未知の世界をのぞくスリリングな歌唱がそこに、用意されている。「夜の女王」の超コロラトゥーラから「アイーダ」のようなドラマティコのもの、また日本歌曲における幅広いレパートリーをみても、関定子行くところ敵なし、といったところである。「山田耕筰歌曲集 第1集」の全42曲のアルバムに続き、その2集としてここに全58曲が収められ、計百曲が歌われている。山田耕筰歌曲を百曲も録音した歌手は、はじめてである。今回は《澄月集》全5曲、《幽韻》全5曲、また日本古謡、民謡など12曲、インドの童話に基づく《芥子粒夫人》(ポストマニ)全曲など、普通に聴くことのできない歌曲集が収録されているのも貴重である。関定子ぶしともいうべき独自の節まわしは、前巻の《雨情民謡集》で最高の歌唱を示したが、今回も〈梅は咲いたか〉〈深川〉などの小唄、端唄に、他に類のない歌唱を繰り広げて楽しませる。《雨情民謡集》などでは今年のはじめ、ニューヨークで満場を総立ちにさせたほどの力倆を持つ彼女は、近々、日本近代歌曲において再評価の声高い藤井清水の作品だけによるリサイタルも開く予定になっている。これほど広範囲にわたる歌曲を一挙に歌い上げてしまう彼女のヴァイタリティとその音楽性の無限の可能性は、今後ますます大きな花をひらかせていくであろう。藤井清水歌曲の夕べに引き続いて、ヴェルディのヒロインたち、というベル・カントの円熟唱法が彼女を待っているというのも、鮮やかな転身ぶりである。藤井清水のCDも出して欲しいものだ。この百曲全部を弾いているピアノの塚田佳男の多様な表現力も特筆すべきだろう。詩のコトバに沿って、ピアノの音が見事に変化していくのである。日本の歌曲に打ち込んでいるだけに、徹底した考証と、楽譜の読みの深さにかけて、現在右に出る人はいないだろう。

 

「レコード芸術」('94年11月号) 佐々木行綱氏

 

第1集は92年、93年の録音。第2集は94年の録音で、1枚目には《澄月集》5曲、日本古謡・民謡より12曲、北原白秋の詩によるインドのおとぎ話を題材とした全4部からなる長大なバラード《芥子粒夫人》ほか4曲。2枚目には《幽韻》(小倉百人一首より)5曲、《童謡百曲集》より12曲、ほか9曲を収めている。これで関と塚田は、山田耕筰の歌曲百曲を録音したことになる。第2集は、第1集からわずか1、2年後に録音されたものだが、さらに熟成した歌唱があり、同じく日本歌曲に情熱を傾ける塚田佳男とともに、山田耕筰の歌曲のよさを十分に伝えている。関と塚田は、最初の《澄月集》から入念な解釈と表現で、日本的な情感を濃く表している。続く「日本古謡・民謡集」も、邦楽と民謡の歌い方をよく習得した関だけに、どれも優れた演奏。中でも日本の俗曲の粋な味を生かした〈梅は咲いたか〉〈深川〉が見事。また九世、杵屋六左衛門の旋律による〈来るか来るか〉も、邦楽と洋楽を巧みに折衷した発声と歌いぶりで作品を生かしている。民謡では北海道民謡〈沖の鴎に〉、松前追分〈忍路高島〉が傑出している。また〈中国地方の子守謡〉でのこまやかな愛情のこもった歌いぶりも心に残る。第2集での最高の演奏は以上二つのプログラムに集められているが、その後の演奏も、関はコントロールされた声と、偏ることのない表現でそれぞれの歌をよく伝えている。関は94年4月にニューヨークのカーネギー・ホールで山田耕筰の歌曲と日本民謡を歌い絶賛を博したという。また10月には、作曲家、藤井清水の没後50年を記念して、塚田とともに藤井清水の歌曲リサイタルを開くという。関、塚田の真摯な日本歌曲への探求と綿密な演奏にこれからも注目していきたい。1994年度レコード・アカデミー賞[日本人演奏部門]受賞

 

「レコード芸術」('94年12月号) 小石忠男氏 

 

かつてのLPの頃と違って、今では日本人演奏は、めずらしくも何ともなくなってしまった。大阪のあるレコード店では、月によっては、ベスト・セラーの大半を日本人演奏が占めるほどである。それには小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラ、鮫島有美子の活躍、最近では、大江光の作品などが大いに貢献しているようだが、いずれにしてもレコード愛好会には、かつてのような本場指向が薄れてきたのではないかと感じられる。とすると、レコード・アカデミー賞で、日本人演奏部門を設ける意義はあるのか、という疑問をもつかたもあるだろうが、やはり内容が優れていても、地味な仕事で一般に知られないディスクもあり、しかも流通の限られたマイナー・メーカーが、よい仕事をしながら、一般に知られない場合もあるので、数が増えた分だけ、この部門の存在理由と責任が重くなったとも思うのである。いや、この欄は賞の趣旨を述べる場所ではないので、さっそく選定経過に移ることにしよう。例によって、この部門の本誌の特選盤を数えると、編集部のリストでは、11月新譜まで、25点があげられている。これに推薦盤を加えた筆者のリストでは、40点以上にのぼる。ジャンルは各分野にわたり、あまりの多さに、このなかからの選考は、難行が予想される。選定委員は、佐々木行綱氏と武田明倫氏、そして小石忠男の3名である。佐々木氏の候補はただ1点、「ソプラノによる山田耕筰歌曲集」関定子(トロイカ)である。もう話し合いの余地もないほど絶対的な選出で、これは強い。続いて武田氏は、オネゲル《小組曲》/武満徹《そして、それが風であることを知った》ニコレ、今井信子、吉野直子(Ph)、シューベルト「ピアノ・ソナタ第21番ほか」田部京子(De)、「ソプラノによる山田耕筰歌曲集」、シェーンブルク《モーゼとアロン》秋山和慶指揮(V)の4点をあげた。小石は、ブルックナー「交響曲第3番」朝比奈隆指揮(Cn)、「ソプラノによる山田耕筰歌曲集」、シェーンブルク《モーゼとアロン》の3点である。2名がシェーンベルク、3名が山田耕筰という結果で、それ以外はまったく一致しないが、2点でも合うものがあれば、混乱は避けられるというものである。実は、関定子のディスクは、佐々木氏が92年からあげ続けてこられており、92年は「郷愁〜ソプラノによる日本民謡集」(Ph)、93年は前記集成の第1集を候補としてノミネートしていた。そこで結果は三度目の正直ということになったわけだが、それは今回の「山田耕筰」によって、第1集とあわせて実に100曲もの歌曲の録音が完成したからである。もちろん、佐々木氏だけでなく、武田氏も小石もその意義を認め、高く評価していたので、今回はめでたく関定子に決定した。第1集とあわせて鑑賞してほしいと思う

【選定を終えて】関定子は、ワーグナーも歌う強い声の持ち主で、山田歌曲の日本的な情感をしみじみと味合わせる。このように多くの曲が、むらなく歌い込まれているのもすばらしいことである。感動を呼ぶ名唱として高く評価したい。

 

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