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人物ロシア革命史

¥2,750 税込
商品コード: 978-4-87430-029-9
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著者 鈴木 肇〔著〕 体裁 A5判 上製本 365頁

 

 

—歴史から消えていった革命家たちが夢見たものとは?

 

■解禁秘録に事実を語らせることによって「レーニン神話」を終わらせ、彼によって貶められたさまざまな革命家たちを歴史上のしかるべき地位に戻すとともに、ロシア革命の「脇役たち」を含む34名もの革命家の生涯と活動を詳しく紹介し、ソ連で発行されたおおかたのロシア革命史がいかに事実を歪めた「偽書」であったかを例証した、資料価値のある貴重本。

 

《日本図書館協会選定図書》

 

 

 

 

《推薦の言葉》

 

■小林和男氏(NHK元モスクワ支局長・作新学院大学教授)

彼岸で神がレーニンに尋ねた、「ウォッカは革命後も42度の強さかね」。レーニン「今は40度です」。神が言った、「何! 君たちはたった2度のために革命をやったのかね!?」。

“2度”はなんだったのか? ロシア革命という人類史の疑問に半世紀以上ロシアを見続けてきた著者が、人物を通して光を当てた。革命とは? ロシアとは?

 

 

■石井英夫氏(産経新聞論説委員)

歴史は、時代の空気によってではなく、人間の意志と行動によって動く。著者によると、ロシア革命は「愛国心の衰え」によって成り、革命史は「民主主義の敗北の歴史」だった。この本の底には、九年間に及ぶモスクワ特派員の取材経験と人間洞察が光っている。 

 

 

 

 

《書評より》

 

 

血塗られた革命の舞台裏と主役たち■小林和男(作新学院大学教授・NHK解説委員)

 

日本にやってきたロシア人が言ったことがある。「こんな国をつくるためにわれわれは革命をやったんだ!」。豊かに物があふれ、人は勤勉で、何を言おうと身に危険が及ばない社会を見れば、うそ偽りなく出てくる感想だろう。ロシアはそういう社会をつくるために革命をやり、数多の人の血を流した。数多と言っても半端な数ではない。千万単位なのだ。

その血に塗られたロシア革命とは一体何だったのかと、革命家たちに焦点を当てて問いかけているのが本書である。著者はソ連時代に新聞特派員として2回モスクワに勤務し、その後もロシアを追い続けている専門家。共産政権崩壊後次々に公開された新しい資料を元に、革命家の思いと現実を描き出している。

元祖レーニンがカザン大学に入学できたのは、レーニンが倒した臨時政府の首班ケレンスキーの父親が好意的な推薦状を書いてやったおかげだ、と言った歴史の皮肉から、革命の名のもとに跋扈する奇妙なスパイや、過去を知る者たちを次々に殺すスターリンの狂気など、革命の舞台裏が淡々と描かれている。ソ連時代、まるで神様のように崇められ、無病の人とされていたレーニンが、著者によると、人を罵り、罵詈雑言をはく名人だったという。その語彙が具体的に列挙されていて、残忍な人柄の一面を知る手がかりとなる。

スターリンが、メキシコに亡命した政敵トロツキーを暗殺するために差し向けたスペイン人の刺客ラモスが、20年前に刑期を終えてロシア経由でキューバにわたり、死んだのは1978年。ついこの間のことだ。その墓はモスクワ郊外にあるが、墓碑にはソ連最高の栄誉である「ソ連邦英雄」の称号が刻まれているという。

ロシアで文学者や芸術家、音楽家の墓を尋ね歩くのは楽しい。ロシア観光の目玉にもなっている。それは文化が時を超え、国を超えた価値を持つからだ。だが、革命家の墓を尋ね歩いていて心豊かになるものだろうか。革命がその価値を持たない実験であったことを、本書は悲しく教えてくれている。《時事評論(2003年8月号)》

 

 

◇この他、産經新聞・図書新聞・奈良新聞など多数メディアでもとりあげられ大好評

 

 

 

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